ネットゼロ・スチュワードシップ:脱炭素化へのエンゲージメント主導型アプローチ
アクティブ・オーナーシップはネットゼロ目標達成に重要な役割を担っています。本稿では企業の脱炭素化への取り組みに対するabrdnのアプローチについて紹介します。
2015年、国連は17の持続可能な開発目標(SDGs)を策定しました。
私たちは、これらの目標が、すべての人にとってより良い、より持続可能な未来を実現するための青写真であると考えています。
SDGsは、貧困、不平等、気候変動、環境悪化、平和、正義、技術革新など、持続可能性に関する世界の主要な課題に取り組みます。これらすべての課題は、目標期限である2030年までに多額の公的および民間資金を必要としています。
現在の資金調達水準と17の持続可能な開発目標の達成に必要な投資額との間には、資金ギャップがあります。調査によると、2030年までにSDGsを達成するには、年間数兆米ドルの追加投資が必要であると推定されています。
このギャップは、満たされていない様々なニーズに企業が取り組む機会であると私たちは考えています。世界が直面している差し迫った課題解決に企業は貢献できます。
企業はその事業戦略をSDGsと整合させることで、優れた長期的財務リターンを実現する可能性が高いと考えられます。多くの企業は、SDGs関連の製品、サービス、インフラに対する需要の高まりから恩恵を受けるでしょう。そして、それらの企業は、社会と環境に積極的に貢献することが期待されます。
abrdn(アバディーン)は、資産クラス、地域、レポーティング・ニーズに基づいたSDGsに整合した4つの戦略を提供しています。
国連は、アジア太平洋諸国は2030年までに測定可能なSDGs目標の10%未満しか達成しないと推定しています。この進捗の欠如こそ、最も革新的な企業に大きな未開拓市場を生み出します。abrdnはこうした革新的な企業に投資妙味があると考えています。
エマージング・マーケット(新興国市場)が、2030年までにSDGsを達成するためには年間4兆2,000億米ドル以上の投資を必要とします。当戦略は、事業活動や商品を通じてSDGsに積極的に取り組む企業に投資することで、新興国市場におけるこの機会を捉えることを目指しています。
「社会貢献への目的(purpose)と利益追求(profits)の両立」を目指す企業の社債からなるポートフォリオで構成されている当戦略は、エマージング・マーケットでのサステナビリティに関連する投資機会へのアクセスを提供すると同時に、一般の株式に比べて低いリスクでインカムの獲得が期待できます。
abrdnは、さらに多様な機会を捉えるため、グローバル上場企業へ投資することで長期的成長をもたらすことを目指します。これらの企業は、定量化が可能な社会的および環境的な成果に貢献する製品やサービスを計画的に開発しながら、魅力的な財務リターンを提供することが求められます。